EQNext 【Teir’Dal決死の戦い 第九章 – 発見 –】

登場人物

第一章 – 悲嘆 –
第二章 – 任務 –
第三章 – 栄誉 –
第四章 – 誇り –
第五章 – 復讐 –
第六章 – 反動 –
第七章 – 追われる身 –
第八章 – 避難所 –

—–

【第九章 – 発見 –】

 

 

——

– 約1時間後にAilen Rashardが戻ってくる音に気づいた時には、Keramore Thexはまだ地図を見つめていた、というよりはむしろ地図の向こう側を見つめていた。すっかり考え込んでいてあっという間に時間が過ぎていて、咳が聞こえてやっと誰かが部屋にいる事に気づく。振り向かずに言う。「いい知らせか?Ailen」

– 「Kailonです、Sir」

– 思いもよらない声にKeramore Thexは飛び上がり、久しぶりに笑顔になる。ドアにLieutenant Kailon Rayneが立っている。汚れていて疲れきっていて、金髪には乾いた血が付いている。だが生きている。Keramore Thexは部屋を横切り手を差し出す。「Kailon!会えてよかった。仲間は何人残っている?」

– Kailon Rayneが歯を食いしばる。「私だけしか残っていません、Sir。全員失いました」床を見つめて肩を震わす

– 氷のツメが地獄の底から這い上がりKeramore Thexの心臓を引き裂く。このミッションを引き受けた時に仲間が死ぬことは分かっていた。しかし現実は想像以上に過酷だ。「それは…それは残念だ、Lieutenant」勇敢な顔を保とうとする

– 「しかし1人生き残りました」

– Keramore Thexがうなずく。「お前のいとこのLocienを見つけた。廃墟の手前でだ」

– Kailon Rayneの表情が少し明るくなる。「それはよい知らせです、Sir。私の部下がもっと残っているかもしれません。我々は—」

– Thelios Graythalが部屋に入ってきて遮られる。「Commander!見ていただきたいものがあります」

– 「いとこに会ってこい」Keramore ThexはKailon Rayneの腕をポンと叩く。「廊下沿いの部屋にいるはずだ。そのあと私のところに来てくれ」

– 「Sir!」Kailon Rayneは敬礼して急いでドアを通り抜けていく

– Keramore Thexは手を振ってThelios Graythalに先に行くよう促す

– 二人が通路に出るとすぐにThelios Graythalは隣に来る。「私の偵察はドームに続くトンネルを見つけることができませんでした。トンネルはあるかもしれませんが、あの建物の近くのトンネルの多くが崩れています」

– 通路の奥に立ってガードしているElfはタイマツを掲げている。それをThelios Graythalが止まらずに手に取る。「しかし自然にできた洞窟が繋がっているのを発見しました。私たちが現在いるところよりもずっと奥まで行くと途切れます。運良く見つけることができました。巨大な穴を発見して、そこから洞窟のさらに下に降りることができます。メイジのQuisenにグループを連れて見に行かせました。Quisenによると、その洞窟はこの辺りの街よりも更に古いものだそうです」

– 「ドームに入る方法を引き続き探ってほしい。だがその発見した穴を見せてくれ」

– Teir’Dalが基地として使っていたエリアを出ると、トンネルの幅は狭まり、繋がった部屋の空間になる。曲がりくねった通路を5分ほど進むと、わずかなタイマツの火が灯り、新しく書かれたElfの文字が方角を指していて、トンネルはまた広くなる。この新しい廊下はキャンプしていた場所の廊下に似ていて、幅20フィートほどで、両側に部屋がある。楕円形の大きな部屋へのアーチ型の豪華なドアも一緒だ。しかし、この部屋の中央には石のテーブルはない。代わりに砂漠のようにカラカラの豪華な噴水が中央にある

– Keramore Thexが部屋に入ると、数人のTeir’Dalの偵察が静かに話をしている。起立して敬礼する全員の敬礼を返す。「楽にしてくれ」

– Thelios Graythalは噴水の向こう側に歩く。「Jostiesがこれを発見しました。どうやって見つけたのか分かりません」

– Jostiesが微笑むが何も言わない

– 「このトンネルを作った者はプライバシーを相当重視したのでしょう。大昔にドラゴンが襲ってきた時にはさぞ役に立ったと思われます」かがんでボウルの下の縁にある花の彫刻を触る。すると噴水が横にずれ、下に降りる螺旋階段が現れる

– 噴水が開くとすぐにKeramore Thexはまたあの引っ掛かりを感じ、ここを進むのが正しいのが分かる

– タイマツを高く掲げて若いLieutenantは狭い階段を先に下に降りる。10フィートほどで上のトンネルとはまったく違うトンネルに着く。自然の石灰石でできた大きな洞窟は、大人が二人横になって歩けるほど広く、円形をしていて両腕を広げられる。休まずにThelios Graythalは左に曲がりさらに奥に進む

– 壁は乾いているが、大昔に水が流れていたのが分かる。自然に出来たようにみえる洞窟だが、なめらかな壁に違和感を感じる。かつては水が流れていた似たような洞窟に入る時はいつも石筍と鍾乳石が壁や天井に見られるが、ここにはない

– 「どのくらい先まで続いている?」

– Thelios Graythalは肩越しに見ながら「もうすぐです、Sir。この先に光が見えます」と言う

– Elfの向こう側を見ると、遠くに確かにかすかな光が見える。Teir’Dalの偵察が何人か洞窟に立ってタイマツを持っている。あそこがこの巨大な穴の隅っこだ。石灰石の洞窟はこの先の暗闇にも続いているが、穴の幅が20フィートあるため、そう簡単に進むことはできない。タイマツを持つ偵察がさらに2人いる30フィート下まで、ロープが何本かぶら下がっている

– タイマツを隣の戦士に預け、Thelios Graythalはロープを掴んで下に降り、Keramore Thexもそれに続くと、すぐに今まで見た中で最も大きい地下洞窟に着く。高さ75フィートを軽く超え、その2倍ほどの幅がある。石筍と鍾乳石があちこちにあり、木のように太いものもある。僅かな水が中央に流れている。タイマツが穴の周辺を照らす。トーチは左側を照らし、右側の洞窟は真っ暗

– Keramore Thexは右側を指す。「あっちには何がある?」

– Lieutenant Thelios Graythalは立ち止まって首を振る。「偵察をあちらに出しましたがまだ戻ってきていません。永遠に続いているかもしれません」振り返りトンネルを進む。「こちらに見ていただきたいものがあります」

– 曲がり角付近で洞窟は劇的に変わる。何者かの手によって掘られたこの部屋だけでなく、自然の洞窟とはまったく異なる。とても大きいが石筍と鍾乳石が取り除かれ、床は平らになっている。近代の道具で作られたものではない。石灰石に道具を使ったあとは見えない。壁際には奇妙な銅像が並んでいるが、人間なのかどうかも分からない。少なくとも見たことのない種族だ。調和が取れていないように思える。右側の壁から床に向かって浅い溝が走っている。深さ数インチだが、その中のものが目を奪う。光のつるのようなものが這った濃い青のエネルギーが、部屋の中央の岩のような材質の黒い山まで織り込まれている。その山は20フィート以上の高さで、4フィートほどの高さの壁に囲まれている。小さいルーン文字で覆われた柱がこの壁に平均的に間を置いて突き刺さっている。黒髪に巨大なKingの王冠が置いてあるのを想像する。その山の両側には上に続く階段がプラットフォームまで伸びていて、建物を4つに分けている。奇妙なエネルギーでいっぱいの浅い溝は階段の中央まで伸びていて、階段を半分に分けている。4つのセクションの中央からは、巨大な柱が伸びて中央のプラットフォームの上にアーチを描いている

– Teir’Dalのメイジ数人が階段の下に立って興奮した様子で何か話している。ここまで歩いて来る途中で、時間を無駄にしていることにScout Masterを叱りつけようと何度も思った。しかしこの不思議な祭壇を見ると、 Keramore Thexがずっと感じていた引っ張られる感覚がさらに強くなり、体中で感じるようになる

– 祭壇に向かう前にメイジが1人こちらに向かってくる。「Commander。お越しいただいてありがとうございます」

– 建造物から目をそらさずにKeramore Thexはウィザードに敬礼を返す。「Quisen、ここは何だ?」

– Keramore Thexの肩の向こう側を覗き見てメイジは眉をしかめる。「現在のところまだ分かりません、Commander。壁のルーン文字とあそこにある… 装置は我々にはまったく未知のものです。解読できたことからすると、ポータルのようなものではないかと考えています」

– 「ポータル?」Keramore Thexは大きな柱に囲まれた中央の装置を見つめる。それぞれ50フィートほど伸びていて天井に付きそう。「どこへ行くポータルだ?」

– Quisenは首を振り他のメイジと一緒に階段の方に歩く。「それは分かりません。どうやったら起動できるのか、あるいは起動するのかどうかさえまったく分かりません」

– 装置に近づくとしびれるような感覚がKeramore Thexの胸に反射する。母がくれたネックレスに触れる。ペンダントからはレザーの上着の上からでも振動が伝わってくる。階段の一番下に足をかけると、浅い溝いっぱいのエネルギーが明るく輝く。「一体これは—?」思わず後ろに飛び上がる

– しかしメイジは興奮した様子で前に出る。かがんでエネルギーのそばに手をかざす。「なるほど」目をそらさず手でKeramore Thexに近くに来るよう合図する。「Commander。階段に戻ってください」

– おっかなびっくりKeramore Thexは片方の足を一番下の階段に乗せる。するとペンダントの振動が強まる。足を置くとエネルギーがまたさらに輝く。片膝をつけて、輝く物質を調べるメイジに加わる。Keramore Thexが手を近づけると、振動が指先まで伝わる。今度は両足で階段に立つ。光っていなかった溝も光る。さらに黒い石の山が濃い紫の光を放ち出す。3人で上のプラットフォームに登ると、ペンダントの振動が益々強まる。柱の4面に書かれたルーン文字が生き生きと強い輝きを放つ。一番上に着く頃には影がなくなるほどその場の全域が強烈な光を放つ

– ウィザードのグループが後退りする。何人かは口をぽかんとあけている

– Quisenは数回口を開いては閉じてからやっと声を出す。「ど、どうやって?」

– Keramore Thexはレザーの上着の襟の下に手を入れ、ペンダントを取り出す。するとペンダントから放射される光に全員が目を細める。「これが答えだと思う」

– Quisenが前に出てアミュレットに触れてから、素早く手を下ろす。「エネルギーでパチパチ音をたてている!」メイジは4本の柱を見上げる。「Commander、そのプラットフォームの中央に進んでください」

– 「確かなのか?」Keramore Thexは魔法を恐れたことはないがこれはそれとはわけが違う

– 他のウィザードたちがうなずくのを見てQuisenは大きく息を呑む。「はい、Sir」

– Keramore Thexは不安が襲ってきて顔をしかめる。「乗ったら何が起こるんだ?」

– またQuisenは仲間のメイジたちを見る。誰も何も言うことはないようだ。「ポータルが開く可能性があります」

– 「可能性か。他にどんな可能性がある?」

– 「我々が想像するには、この装置は100年は使用されていなかったと思われます」肩をすくめる。「その間にダメージが与えられているとすると、作動しようとして魔法の反応が起きて我々の上にある街の半分を吹っ飛ばすかもしれません」

– 「たった半分だけなのか?」Keramore Thexが笑うが楽しい雰囲気はない。振り向いて装置を見つめる。見る限りダメージは与えられていないようだ。自分にその見分けがつくとも思えないが。前に1歩出ると、ルーン文字の輪が床に現れる。大きく息を吸い込み、その輪に入る

– 冷たい空気が吹いてくる。その空気は洞窟よりも冷たく、黒い石の山が周囲の熱を吸い取っているかのようだ。足元のルーン文字がゆっくりと脈打ち始める。4本の柱に書かれたルーン文字も床のルーン文字に合わせて脈打つ。何か言う前に、柱から柱へと雷光が踊りだす。1本の柱から電気が走り部屋にアーチを描き、他の1本の柱に当たる。床が振動して天井から埃が落ちてくる。メイジたちが階段を1歩後退りするが、Keramore ThexとThelios Graythalはその場にとどまる。数人のメイジが数歩下がる。曲がった柱と柱の上から雷の音が鳴り響き、エネルギーの波が破裂して全員を宙に投げ出す

– Keramore Thexは背中から勢いよく落ちて肺から空気が一気に出る。転がってようやく片方の膝をつく。上を見ると、雨雲のような、キラキラと光る煙のような雲が柱の間を埋めている。さっきよりも大きい雷光がアーチを描いている。すぐに煙のような雲がプラットフォーム全体を覆う

– 隣からうめき声が聞こえてそちらを向くと、Thelios Graythalがやっと立ち上がっている。「皆無事か?」すぐに他の者も立ち上がり、うなずいたり手を振って大丈夫だと合図をしている

– Keramore Thexは雲を指す。「あれは何だと思う?ポータルか?」

– 咳をしてQuisenが服についた埃を払う。「はい、Commander。ポータルだと思います」

– 「どこに向かうポータルだ?」

– メイジは戸惑った顔をする。「それが分かる方法がありません。Amarilのどこにもこのようなポータルの話を読んだことはありません」顔をしかめる。「我々には情報が不足しています、Sir」

– Thelios Graythalが前に出る。「偵察できるでしょうか?」

– 「恐らく。しかし戻ってこれるかどうか分からない。一方通行かもしれない」

– Keramore Thexはポータルの周囲を歩きながらますます険しい顔をする。「ということは我々はここに残ってネズミのように狩られるか、もしくは中に入ってSolusekにすら分からない場所に飛ぶか」一周すると、メイジを見る。「どこにも飛べないということはないのか?足を踏み入れたものは瞬殺されるという可能性は?」

– 「その可能性は少ないと思われます、Sir」Quisenはうずまく煙の前に立つ。「これだけのパワーを持つアイテムには通常安全装置が埋め込まれています。人々を何処かへ連れて行くための装置だと思われます」

– 「それは最初に足を踏み入れる気になるくらいのパワーなのか?私の部下の偵察を送り込んでもうこれ以上死なせたくない」Thelios Graythalの言葉は厳しいがKeramore Thexはその気持が分かる。このElfは自分の指揮下で今日だけで大勢の部下を亡くした。無駄に部下を送り込んでまた死なすと考えるのはつらい

– 少し前に出てQuisenは装置を覗きこむ。我を忘れてうっとりとしてまた少し前に出て振り向く。「はい。私が最初に足を踏み入れることに問題はありません」

– 若いLieutenantがKeramore Thexの前に出る。「あなた次第です、Commander」

– Keramore Thexは笑う。「どの選択をしてもいい結果にはならない。どんなにお前が—」

– 「Commander!」偵察が駆け足で部屋に入ってくる。頬には大量の血が付いている。よろけて倒れ、Keramore Thexが起こしてやる。「敵が攻め込んできました、Sir。トンネルへの入口が発見されました!」
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