EQNext 【Teir’Dal決死の戦い 第八章 – 避難所 –】

登場人物

第一章 – 悲嘆 –
第二章 – 任務 –
第三章 – 栄誉 –
第四章 – 誇り –
第五章 – 復讐 –
第六章 – 反動 –
第七章 – 追われる身 –

—–

【第八章 – 避難所 –】

 

 

——

– ドーム型の建物がぼんやりと夜空に高くそびえる。これだけ近いとKeramore Thexは確かに引っ張られるのを感じる

– ドレイクの監視下でPhyxianのグループが付近を徘徊している。

– Sergeant RashmarがKeramore Thexの隣に来る。「アーチャーを連れて西を見に行きましょうか」指をさす。「あの建物に隠れられそうです。素早く攻撃を仕掛ければ—」

– 「いや、駄目だ」腹ばいに近い姿勢のままKeramore Thexは首を振る。下に着くと中腰になり、狭い通りを縫うようにTeir’Dalの待つ方向へと進んでいく。「できればこれ以上命に関わる危険なことをしたくない」低い声で囁く。「それにあの建物をぐるっと一周したが中に入る方法が見つからない。今夜持ちこたえるために他の場所を探さねば」

– Sergeant Rashmarがボソボソ言う。「もうすぐ夜が明けます。まもなく日の出です」

– 左側の動きに目が留まる。 Keramore ThexはSergeant Rashmarの袖を掴んで地面に伏せる。Sergeant Rashmarが従い二人は玉石の上に平らに腹ばいになる。指をさすとSergeant Rashmarがうなずく。少し背を起こして弓を引く

– Ailen RashardとSergeant Sorthinが近くの家から現れ出るのを見て、Keramore Thexの締め付けられていた胃が楽になる

– 2人は姿勢を低くして近づいてくる。Ailen Rashardはニヤリとする。 「Commander、お会いできて嬉しいです」

– Keramore ThexはAilen Rashardが差し出す手を取り、握手をする。「会えてよかった」

– Keramore Thexは2人のElfの後ろにある建物を見ようとするが、真っ暗で数フィート先しか見えない。「部下は何人残っている?」

– Ailen Rashardの笑みが消える。「ヒット&ランミッションでここまで来る間に、報告する意味もないくらい死者を出しました。Quin’Sariに到着する直前にJerilithとTheliosのグループと会いました。生存者は全部で500人余りです」

– 2人が出てきた建物は500人収容するには小さすぎる。Keramore Thexは周囲の建物を見回す。「みんなどこにいる?」

– Ailen Rashardの口元に笑みが戻る。「この廃墟に詳しいメイジが1人いまして。地下トンネルに連れて行かれました。トンネルのおかげで敵に気づかれずにあちこち移動できました。トンネルを利用して至るところで敵に攻撃を仕掛けていました」

– 「じゃあ1時間ほど前に街の東側でPhyxianの集団を襲撃したのはお前らだったか」

– 「恐らく。ここに着いてからもう5グループ以上は殺しています」Ailen Rashardが笑う。「猛襲を仕掛けてはトンネルに消える。これまで見つけた入り口はすべて完全に隠れています」

– Keramore Thexは小さな家の方を向く。「あそこに入口があるのか?」

– 「はい、Sir」

– Sergeant RashmarをつついてKeramore Thexは仲間が隠れている方向に頭を傾ける。「戦士を集めてここに連れてきてくれ」

– Keramore ThexはAilen Rashardのほうを向く。「トンネルを見せてくれ」

– 建物の奥には、大きな部屋2つの間に小さな部屋がある。収納部屋だったようにみえる。中に入ると入ってきたドア以外に出口は見あたらない

– Ailen Rashardが奥の壁に向かって歩き、 天井から伸びるフレスコ画のカドに手を伸ばして押す。鈍くカチャリと音を立てて後ろの壁がこちら側に回る。その向こう側にはElfが2人立っていて、1人は弓を構えもう1人はタイマツを持っている。Elfが構えていた弓を下ろす

– Ailen Rashardが2人の間を通り抜けて狭い通路に入る。「Sarthin、外でTeir’Dalの案内を頼む」

– 敬礼してSergeant Sarthinは小さな家の外に駆け足で戻ってゆく

– Ailen Rashardは手でKeramore Thexにお先にどうぞと合図をする。「誰が作ったか知りませんが見事な出来です。街全体の地下をトンネルが伸びています」

– 狭いトンネルは10フィートほど前に伸びて、そのあとは急な下り階段になる。「このようなものがいくつもあります。このエリアは無傷です」

– 階段はよく作られているが石は古い。15フィートほど降りると、幅20フィート近い広い通路に出る。この新しい通路は左右に伸びている。実際に置いてあるタイマツは少しだけだが、タイマツを置く棚が均等に設置されている。タイマツから昇る煙がアーチ型の天井に薄く広がっている。武装した5人のTeir’Dalがガードしていて、Keramore Thexが近づくと敬礼する

– Ailen Rashardが右に曲がる。「こちらです、Sir。指揮室に使っている大きな部屋があります」

– 一定の距離を置いて廊下に小さな部屋がいくつもあり、どの部屋にも家具はない。一体何の目的で作ったのかKeramore Thexには皆目検討もつかない。各部屋に20人以上Teir’Dalが休んでいる

– トンネルの100ヤードほど先には豪華な彫刻が施されたアーチ型のドアがある。部屋に入ると、Jerilith Sal’KerinとThelios Graythalが振り向いて驚く。「Commander!」

– 部屋は廊下と同じ石材で作られているが、こちらは楕円形をしている。巨大な石のテーブルには両側に椅子が並んでいる。ドアから一番遠い奥の壁にすぐに目が行く。街の地図のようなものがあるが、見れば見るほど地図ではないようにも思えてくる。Keramore Thexはその地図から目を離して2人のオフィサーが差し出す手を握ってうなずく。「お前たちが生き延びてくれていてよかった」

– Jerilith Sal’Kerinが舌打ちをする。「なんとかギリギリでした!」Ailen Rashardに向かって手を振る。「しかもここに着いてから、この馬鹿の偵察が見つけた敵のグループを全部追いかけさせられました」

– 「黙れ、メイジが!」Ailen Rashardが石のテーブルをはたくと埃が舞い上がる。「Feerrottのラプター集団からお前を助け出した時には文句は聞かなかったぞ」

– 「お前ら、そこまでだ」Ailen RashardとJerilith Sal’Kerinの口喧嘩はいつものことだ。Keramore Thexには今この2人に構っている時間も気力もない。ただどちらかの肩を持ちたくはない

– Keramore ThexはAilen Rashardに厳しい表情を向ける。「狩りはここで終わりだ」

– Ailen Rashardは気分を害したような顔をするが何も言わない。Jerilith Sal’Kerinが満足した笑みを浮かべる

– 誰かの感情を気にしている場合じゃない。「Kailonのグループからなにか聞いているか?」

– 「いいえ、Sir」Ailen Rashardが肩をすくめる。「実を言うとあなたに出くわしたことに驚いています。Kailonはここにいるんでしょうか?」

– 「そう思っている。街中を進んでいる時にKailonのいとこを発見した。敵に遭遇した時にバラバラになったそうだ」Keramore Thexは地図に近づいてよく見る。文字も印もない。異なる大きさの線があちこちで交差していて読み取れない。「これは何だ?」

– Jerilith Sal’Kerinが前に出て太い線を指す。「まだほとんど解読できていません、Sir。これは想像ですが、この線は川だと思います。しかし平行に流れているので違うかもしれません。確認できるような目印になるものが他に見あたりません」

– 「太い線の真ん中の宝石マークは何だ?」

– 「さまざまなものが考えられます」メイジが肩をすくめる。「最初は街の中央にあるあの大きなドーム型の建物かと思いました。しかしそうだとしたら、ドームは川から1マイル以上離れているため、太い線は川ではありません」

– Keramore Thexにはこれがあのドーム型の神殿の場所を記しているものだと分かる。指でそのマークをなぞると、奇妙な引っ掛かりが上腕まで伝わる

– 他の者達が地図の前に来る。Thelios GraythalがJerilith Sal’Kerinを見る。「街が廃墟になってから川の流れが変わったのだろうか?」

– 「それはないと思う」苛立ったようにメイジがこたえる

– 誰にも分からない。研究している時間はない

– Keramore Thexは地図から目を離すとLanys T’Vylが部屋に入ってくる。微笑んで椅子に腰を掛ける。「分かっていることに集中しよう。今いるこの部屋はドームからそう遠くはない。トンネルが繋がっていてなかに入る方法があるとすれば、入り口を見つけるのは難しくないと思われる。もし見つからなければしばらくはこのトンネルに隠れていることができる。しばらくここにいれば敵はあきらめて移動するかもしれない。最も心配なのは食料と飲料だ」

– 「それと矢です」Ailen RashardがKeramore Thexの隣に座る。「矢が少なくなってきています」

– 他の者もテーブルの周りの椅子に座る。「我々がここに来た場所からすると、ドームはあっちだ」Keramore Thexは地図がかかった壁のほう、すなわち奇妙な引っ掛かりを感じる方角を指す。「ドームの下を通るトンネルがあるかどうか確かめる必要がある。これが我々が今すべき最善の選択肢に思える」

– 「なぜあのドームがそんなに重要なのですか?」Thelios Graythalが尋ねると全員の目がそちらに向けられる。「さしつかえなければ、Sir」

– この若いLieutenantに尋ねられて初めてKeramore Thexはハッとする。なぜこんなにもあの建物に行かねばならないのか考えたこともなかった。あの引っ掛かりが何かの間違いだとは思わない。むしろ心地よい引っ掛かりだった。首を振る。「ハッキリとは分からない。ただ… 何かある気がする。魂がひきつけられるような何かがあって、私をあの建物に導いているような気がする」

– 「辿り着く方法があるならば、我々がそれを探し出します、Sir」Lanys T’VylがKeramore Thexと目を合わせ、反論は許さないとばかりに全員のダガーを見つめる

– Keramore Thexは咳をして場の張り詰めた緊張を解く。「とりあえずはこのエリアを基地として使える。Thelios、偵察を集めてトンネルの位置関係を探ってくれ。ドームに続くトンネルがあるかどうかが知りたい。他の者は残りの戦士を指揮してくれ。我々の所持品をまとめてくれ。特に残っている矢の数と食料、水だ」

– 「Sir!」

– オフィサーが立ち去ると、Keramore Thexは考えこむ。なぜあの建物の中に入ることにこんなに駆り立てられているのか分からず、気になりだす。それに過去12時間でほとんどのTeir’Dalを失った。そのなかにはあまり誇らしくない自分の判断が原因のものもある。多くの過ちを犯し、多くの選択を誤った。自分を頼りにし信頼していた大勢を失った。今になってその重みが押し寄せてきて、独りになりたくなる。しかしそれはできない。仲間は安全とは程遠いところにいる。「それにもう負けはしない!」テーブルを叩く

– Keramore Thexは立ち上がり、壁にかかった地図の、太い線の中央のクリスタルを見つめる。なぜ私を呼んでいる?お前は一体何なのだ?

——

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