EQNext 【Teir’Dal決死の戦い 第六章 – 反動 –】

登場人物

第一章 – 悲嘆 –
第二章 – 任務 –
第三章 – 栄誉 –
第四章 – 誇り –
第五章 – 復讐 –

—–

【第六章 – 反動 –】

 

 

——

– 使いの者を送り、Keramore Thexは戦士たちを敵を見下ろせる丘に移動させる。日が沈むまでまだ数時間あり、緑のドラゴンは眠っている。他の敵は少し動いている

– Keramore Thexは隣で腰を低くしたTeir’Dalの戦士に手を置く。「Firwith。速く静かに走れ。弓は使うな。隣に回してくれ 」

-Elfがうなずいてから振り返り右隣の戦士にその指示を伝える

– Keramore Thexは自分の左の若いスカウトに同じことをする

– 南の丘の木々の間から矢の雨が降る。それから北側の丘の木々の高い位置から2回目の矢の雨が降り注ぐ。最初の矢がドラゴン軍に落ちた時には3回目の矢の雨が南から降る

– これだけの矢がどれだけ敵にダメージを与えたかを思いKeramore Thexはニヤリとする。まだまだ両側の丘から止めどもなく死の雨が降り注ぐだろう

– Saleniaから拾ったスピアを握り、Keramore Thexはヤブから猛スピードで飛び出す。姿勢を地面近くまで低く保ち、船首が波間を進むように背の高い草をかき分けて行く

– 囁き声のように静かな足音の戦士たちが自分を囲んでいる。両側に800人のElfが草をかき分ける光景を目にして誇らしく思う。各自手にスピアを握り、決意を固めた表情をしている。この戦いがどんな最後を迎えようと、Teir’Dalの勇気が自分の魂を誇りで満たしてくれるだろう

– 左奥ではAilen Rashardのグループが木々の間から平野に飛び出してきている

– 3回目の矢の雨がドラゴン軍に降ると、苦痛と死の叫び声がKeramore Thexにも聞こえるほど響き渡る。Ring of Scaleの破壊力が目覚め始める

– 敵の大群が北と南の丘に駆けてゆく。木々の間に隠れたTeir’Dalに向って怒り狂って血に餓えた化け物が滝のように流れていく

– 敵軍は半分に分かれて無秩序にバラバラに動き出し、各自が攻撃するものを我先に殺そうとする

– 遠くにいる生き物は頭を高く上げてこの騒動の原因が何かと見回している

– Keramore Thexは飛び出してジャンプし草の上でくつろぐワイバーンの背中に着地する。スピアを突き下ろし、警告の声を発する前に首を串刺しにする。そのはずみに任せて腕を回しスピアを素早く抜き取り全速力で息絶える寸前の生き物から降りる

– Keramore Thexは左右を見る。見る限りElfは各自10年に及ぶ敗北の復讐に勤しんでいる。スピアを突き刺されドラゴン種族が悲鳴を上げて死んでゆく

– 目の前にKeramore Thexの身長をゆうに二倍は超えるドレイクが現れ視界を遮る。その前に滑り出て止まる。長い蛇のような舌が動く。悪意に満ちた緑の目が真ん中の細長い瞳で二分されている。ドレイクが突っ込んでくるとスピアを突き刺す。Norite Tipが顎の下の柔らかい部分を引き裂き、ドレイクの頭の上まで6インチぐさりと突き刺さる。それでもドレイクの勢いは止まらず、ドレイクの体が地面に沈むとスピアの棒を握る力を失う

– 息つく間もなくロングブレードを二本取り出す。回してから二匹目のドレイクの背中を切り裂く。Norite Bladeがウロコ、肉、骨を斬る。脇腹を引き裂き突き抜け、翼を片方切り取る。ドレイクは振り向いて叫ぶが、二人のElfが向こう側からスピアで突く

– Keramore Thexは弾みをつけて転がり、別の剣をPhyxianの目に突き刺す

– 味方の攻撃の音がようやく後ろ手にいたドラゴン種族の注意をひき、敵は小さなグループにまとまってゆく

– 4匹のラプターが仲間から離れ出てKeramore Thexのいる場所に一直線に向かってくる。Keramore Thexは加速して真正面に走り出る。背中からスピアを取り出しラプターのリーダーの頬に力任せに突き刺すと、頭が引きちぎられバランスを崩して地面に勢いよく倒れる。残りの3匹のうち真ん中のラプターに向かって走る。ラプターは頭を低く後ろに傾け口を開く。顎が前に出るとKeramore Thexは体を地面に投げ出しラプターの足元まで草の上を滑る。右の剣を取り出し脚に突き刺す。皮と筋肉を切り裂くがその下の分厚い骨で止まる。剣がラプターの脚の骨に力強く当たると掴んだ手が柄から放れる。Keramore Thexはジャンプして前に倒れるラプターを避け、トドメをTeir’Dalに任せる

– Elfとドラゴン種族の叫び声が混ざり合う。部下の戦士たちが何百となく死んでゆく音が聞こえる

– 最初の戦いの後、部下の戦士には後退するよう指示を出した。しかし自分の姿が見える限り部下はその指示には従わないだろう。この化け物の集団に向かっていく自分の姿が見える限り。あの緑のドラゴンを2度も逃すわけにはいかない。何があってもだ。部下は自分が先頭に立っている限り死地まで着いてくるはずだ

– 羞恥心が襲ってくるがその考えを押しのける。もはや止めることはできない。自分からNeriaを奪ったあの生き物がここまで近くにいる限り。崖を流れ落ちる水のように罪の意識を押し流す。目的が目前にある今、諦めるわけにはいかない。あの世まで着いてきた戦士一人につき10倍呪われたっていい。そんなことは気にもならない

– 前方の集団のなかから緑のドラゴンが起き上がる。Keramore Thexに背を向け、Ailen Rashard率いるTeir’Dalグループの方を向いている。ドラゴンが雄叫びを上げる。ドラゴンが酸を吐き出すとKeramore Thexの舌を苦味が襲う。そのブレスウェポンが数人のElfを包み込み視界からAilen Rashardが消える。叫び声を上げ苦痛でのたうち回りながらElfたちが死んでゆく

– Keramore Thexは友人がまだ生きているかどうかも気にせずすぐに前進する。妻を殺した時のようにこの化け物を逃すわけにはいかない。Neriaが残した傷跡と同じ角度でドラゴンの脚を斬る。ドラゴンはうなり声を轟かせ頭を振り回し、Keramore Thex目掛けて噛み付こうとする

– 脇によけて回避しドラゴンの首の下に転がる。残った剣を両手で掴んで跳ね上がる。喉を叩き切ると叫び声が上がる。Norite Bladeがドラゴンの翼の根本を切り落とすと、ウロコ、腱、骨が引き裂かれる

– ドラゴンが金切り声を上げ頭を叩きつけようとすると、Keramore Thexはジャンプして剣を振りかざすも遅すぎる。ドラゴンの頭がOgreのメイスのようにKeramore Thexに思いっきり当たりチカチカするなか宙に投げ飛ばされる。嫌というほど地面に叩きつけられ肺の空気が一気に放出される。溺れる者のごとく這って何か掴むものを探す。手探りで地面の草を掴むが立ち上がれない

– 不快な悪臭がする。瞬きすると、目の前のワイバーンの黒い目を見つめている自分がいる

– まだだ!まだ死ねない。緑のドラゴンがまだ生きている!Keramore Thexは力を振り絞ろうとするが体が言うことを聞かない。ワイバーンが後ろにのけぞりとどめを刺そうとするのを見つめることしかできない。ワイバーンの頭が前に飛び出る

– ワイバーンの肩の方から1本の矢が飛んできて、そのキバがKeramore Thexの肉にグサリと突き刺さる前にワイバーンが姿勢を変える

– すぐに2本目のシャフトが飛んできてワイバーンに突き刺さり、ワイバーンが後ろに下がる

– 両手がKeramore Thexを引っ張ると視界が傾く。ぼんやりとした状態で状況を把握しようとするが、頭に毛糸が詰まってるかのよう

– Keramore Thexの前に顔が現れる。「走れますか?」

– 聞いたことがある声だ。Keramore Thexは頭を振って整理しようとすると、急に周囲の世界が現れてくる。急流の小川の水の流れのように草が流れていくのが下に見える。Teir’Dalの戦士が両腕をつかんで自分を引きずっている。心配そうな顔つきのAilen Rashardが前を走っている。Keramore Thexの足が下でもつれる。やっと足の動きが追いつくとどこにいたか思い出す

– 「駄目だ!」Elfに掴まれた腕を振りほどき立ち止まる。自分の足で地面に立つと、樹木限界線までほぼ戻ってきていることが分かる

– 前方の敵のキャンプを見ると一面Elfとドラゴン種族両方の死体だらけ。Ring of Scaleの集団はまだ追跡してきてはいない。ほとんどが何をしていいのか分からずにウロウロと動き回っている。だが小数のドラコニックモンスター群が移動しようとしている

– Keramore Thexは大虐殺のほうに進み出るとAilen Rashardが目の前に飛び出してくる。「何をしている?」

– Keramore Thexは士官を押しのけようとするが体力がなくなっていてできない。「戦士を連れていけ。私はあの緑のドラゴンが死ぬまでここに残る!」

– Ailen Rashardは頭を振って睨みつける。「だから予定より早く攻撃を指示したのか?」近寄ってKeramore Thexのレザーの上着を掴む。「自分の個人的な復讐のために!」

– 片手を下ろし、Ailen RashardはRing of Scaleの方を指さす。「見てみろ!緑の野郎は死んだ。お前が殺した。だから他の奴らの統制が取れていない」Keramore Thexに向き直り目をそらさず見つめる。「だが我が軍の犠牲も見てみろ。己の復讐のために戦死者名簿に名を連ねた者たちを!」

– まだぼんやりとした視界だが意識がしっかり戻ってきたKeramore ThexはAilen Rashardの言うことが正しいことが分かる。ドラゴン種族の半円を囲んだ平野の向こうに、大きな緑のドラゴンが横たわっている。自分の剣が柄まで埋もれ、右目の後ろの頭から突き出ている。Neriaを殺したあいつが死んだ

– Ailen Rashardの怒りの眼差しと自分の冷めた眼差しが会う。「今日Teir’Dalの戦士はこれが自爆ミッションだと分かってここまで来た。夕暮れ時に攻撃していたとしても同じ犠牲を払っていただろう。それにやるべきことを達成した。奴らは混乱している。あのドラゴンが死んだせいで指示する者を失った。奴らは—」

– 大きな黒い影がいくつも太陽を遮り、Keramore Thexは空を見つめる。ドラゴンのグループがドラコニック群の後ろを滑走している。その先頭には黒いドラゴン、Ithiosarがいる

– Keramore Thexは滅多に恐怖を覚えない。だが氷のようなカギ爪が心を引き裂く。自分は何て愚かなのだ。何も達成していなかった!

– ドラコニック群は両側に移動して近づいてくるドラゴンのために場所をあけている。遠くからでもあの黒いドラゴンがこちらに向けた叫び声が聞こえてくる。Ithiosarの指示が伝わりRing of Scaleが突然動き出す

– 「何だこれは?何が起きた?」誰も答えないがIthiosarが頭をこちらに向けて向かってきているのだろう

– 憎悪でいっぱいのIthiosarが空っぽの草地にドシンと着地する。「Keramore!貴様の薄汚い一族と同じようにもう死んだらどうだ?ネズミのように壁の向こうの罠にかかってな!」

– 「ここにいたら全滅する」Ailen Rashardが前に出てKeramore Thexの肩に手を掛ける

– 「お前の言うとおりだ。皆どうなるかは分かっていた。だが無駄に死なせはしない」 Keramore Thexがこたえる

– 士官はKeremore Thexを木々の方に強く押す。「行け、指揮官。お前にひどい目に合わせる前にな!」

– 2人のTeir’DalがKeramore Thexを起こそうとするが手を振って止める。「自分で動ける」

– 1歩1歩足を交互に動かすことに集中する。数歩踏み出すと軽快なペースで走っている

– Ithiosarの叫び声が空を引き裂く。「Vashlin、奴らのあとを追え!汚らしいElfを一人残らず見つけて肉を食い尽くせ!他の者は戦闘準備をしろ。今からBastionに向かう!」

– 激しい苦痛のなか体を押して動きながらKeramore Thexはめまいがしてくる。何ヶ月にも渡る苦痛、愛する妻を殺した奴をおめおめと逃して妻を裏切ったと感じてきた時間、それがすべて一つの思いとなってやわらいでゆく。愛しいNeriaよ、仇は取った

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登場人物

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