EQNext 【Teir’Dal決死の戦い 第五章 – 復讐 –】

登場人物

第一章 – 悲嘆 –
第二章 – 任務 –
第三章 – 栄誉 –
第四章 – 誇り –

—–

【第五章 – 復讐 –】

 

 

——

– Phyxianが骨を噛み砕く音がKeramore Thexの耳に響いてくる。このドラゴン種の怪物は、巨大な犬にウロコがついて肩と腰が大きくなったような姿をしている。その獣に後ろから飛びかかり力いっぱいダガーを振り下ろす。Norite Bladeが分厚い頭がい骨を切り裂いて柄まで隠れる。Phyxianの顔が勢いよく黒い泥に叩きつけられて埋もれ、一度痙攣してそれきり動かなくなる

– あたりを見渡すと2匹のPhyxianが死んでいる。近い方の死体は4本のスピアで切り刻まれている

– Keramore Thexはダガーを死体から抜き取り、Phyxianの死体から滑り降りてSergeant Rashmarにうなずく。「こいつを動かすのを手伝ってくれ」

– 二人がかりでようやく大きな野獣を転がし横にする。その下には金髪の戦士が横たわっている

– Salenia Va’Sol。自分の指揮下で戦死した者の長いリストにその名を加える。Phyxianの歯が顔を半分に引き裂いている。地面に叩きつけられPhyxianの重みで体が押しつぶされた時にはもう意識はなかっただろう。その点はせめてもの救いだ

– Neriaの時もそう思えたらよかったのだが。緑のドラゴンに噛まれた時には妻はまだ生きていた。その記憶が全身を斬り付け我慢できずに天に向かって叫びたくなる。だがそうする代わりにしゃがんでSalenia Va’SolのNorite-Tipped Spearを拾い、Sergeant Rashmarを見る。「矢を全部拾っておけ。あとで必要になる。他の戦死者からも拾うんだ」

– 後ろを見ずに再び森を駆ける。普段なら3匹のPhyxianの死体の横に 戦士の死体を放置せず、きちんと埋めて哀悼を捧げるところだが今は無理だ

– 待ちぶせ攻撃はある程度予想していた。静かに行動するTeir’Dalとはいえ、装備をつけた800人の戦士がまったく音をさせずに動くことは不可能だ。それにドラゴン種は聴覚が鋭い。実際Keramore Thexはもっと抵抗があると思っていた。Bastionを出て以来敵グループは今のでたった5つ目ですべてPhyxianだ。4つ脚の野獣は、Ogreを除いたCombineのどの種族にとっても、大きくて脅威的なので戦術としては悪くない。ただし姿が似ている犬よりも頭が悪い。敵の数が自分たちと同じでも動くものにはなんでも攻撃する。なのでElfの活動をドラゴンに報告することはない。他のTeir’Dalグループも同じ状況なら今晩襲撃が始まる前に元の位置まで戻れるかもしれない

– もし自分がRing of Scaleを指揮していたなら4分の1のメンバーを偵察に出していただろう。Ithisor指揮下でのCombineとの戦争がうまくいっていない証拠だ

– もう半日移動している。太陽の位置からするとRing of Scale軍の背後近くまで来ている。午後に入ってからFeerrott Forestに差し掛かったところで、自軍を北の敵軍の後ろの位置に向かって移動させた。この30分ほどは広葉樹とヤブが広がる小さな谷沿いを移動している

– 赤、黄色、金色、栗色の葉の木々が生い茂っている。太陽が沈もうとしているため冷気を感じる。Keramore Thexはクロークをきつく巻きつける。秋は母が好きだった季節で、秋は南Amarilで過ごすに限ると言っていた。もらったペンダントを探る。母がもういないことが寂しく母の評議会が懐かしいが、この忌々しいドラゴンとの戦争が起きるずっと前に他界してよかった。ペンダントをレザーの上着の中にしまい母の思い出を振り払う。今は亡霊に気を取られている場合ではない

– 左手でツバメの鳴き声が響き、800人のTeir’Dalが地面に伏せてピタリと静止する

– Keramore ThexはSergeant Rashmarのほうに動き自分を指し、それから鳥笛の方向を指す

– Sergeant Rashmarはうなずいて着いてくる

– 低い姿勢で50歩ほど木と木の間を移動する。Ailen Rashardの部隊の副司令官Sergeant Sorthinを見つけると姿勢を戻す。全員ピッタリとくっついているのを見てKeramore Thexの胃が締め付けられてくる。「問題か?」

– Keramore Thexに習ってささやき声でSergeant Sorthinがこたえる。「すでに我々で全て対応済みです、sir」

– 「ここで私とAilenを待っていたのか?」予定よりずっと西に来ているのは分かっていたが、こんなに後ろにいたとは思わなかった

– 「しばらく前からずっとここにいます、sir。Lieutenant Ailenが我々を定位置につかせました。付近を偵察する余裕があるほどずっとここにいます」

– 近くで枯れた大枝が落ちて若いSergeant Sorthinがビクリとする。周囲を見渡してから続ける。「あなたを見つけた場所付近の数カ所に配置しています。Lieutenant Ailenによると、迎え撃つのに最適な場所は今いるこの場所だそうです」

– 「お前の戦士たちはどこだ?」

– Sergeant Sorthinは北を指さす。 Keramore Thexがさっき来た方角だ。「1マイル以内をバラバラに配置しています」指を東に向ける。「敵軍はあちらの約1マイル半先にいます。案内しましょうか、sir?」

– 「ああ、頼んだ」Sergeant Rashmarを見る「少し兵士たちを散開しよう。休むことはできるがくれぐれも姿勢を低くして周囲に注意するように。危険な位置まで近づくものがいたら殺せ」

– Keramore ThexはSergeant Sorthinに移動するよう合図する「先導してくれ」

– Sergeant Sorthinは機敏に移動する。「敵は大量にいます、sir。谷のほとんど全域を埋め尽くしています」

– お喋りをする気にならない。敵を目にすれば知りたい情報はすべて分かる。なので返事をしない

– 2人は約20分ヤブの中を動く。急な丘を登っていくとSergeant Sorthinが背を低くし、Keramore Thexもそれに習う。頂上につく頃には腹ばいで移動する

– この谷は木が生えた丘が周囲3ヶ所にあり、細長い巨大なボウルを囲む地形をしている。3マイルほどの平らな土地が谷を北と南に分けていて西にいる自分たちを隠している。深い広葉樹の木々が丘を覆っていて幹の間はヤブがぎっしり生えている。2、3ヤード先は何も見えない。なぜIthiosarはこの場所をキャンプ地に選んだのか?防御がほとんどできない。それに木と木が重なっていて敵がいることに気づく前に襲われる。だが膨大な数のドラゴン種が木の間のスペースを埋め尽くしていれば、小規模の敵は奇襲を控えるだろう。それにその規模の軍だとヤブの中から奇襲することはできないだろう。それでもこちらに有利だ

– Keramore Thexからは今Teir’Dalが敵軍を囲んでいる様子は見えないが、Ring of Scaleはハッキリ見える。ドラコニックキャンプを見下ろす機会は今回が初めてではないが、今まで見た中で今回のが最大規模だ。東の最も遠くには何千もの小さなキャンプの火から灰色の煙が上がっているのが見える。他のドラゴン種は食べ物をあまり焼かないのを好むのでコボルドのキャンプだろう。ワイバーン、ドレイク、ウィルム、ラプターは思った通り山の側面に固まっている。コボルドが任務を放棄しないように見張っているのだろう。バラバラにくつろいでいて眠っているものもいる

– 真正面の射程2つ分ほどの距離にいるドラゴンにKeramore Thexは心臓が止まるほど驚く。まさか!

– 柔らかい草の上で眠る緑のドラゴンには、ギザギザの傷が左の後部からカーブを描いて伸びている。夕焼けを浴びてウロコが光り、巨大な横腹が寝息に合わせて上下する。息をするたび灰色の傷跡が動く。見つめれば見つめるほどその傷が生き生きとして見え挑発してくる。いや、自分を呼んでいる

– ロングブレードを握りしめたNeriaがあの緑のドラゴンの脇腹に深く切りつける記憶が鮮やかに蘇る。ドラゴンが振り返ると口から酸が吐き出てくる記憶。妻が倒れる記憶

– 戦うしかない。愛する妻の命を奪ったあの怪物の心臓めがけて死の矢のように飛んでいくしかない

– 「いかがなさいましたか、sir?」Sergeant Sorthinのささやき声でKeramore Thexは我に返る。Elfの視線が自分の顔と手を行き来している。下を見るとスピアを握る拳が真っ白になっているので力を抜く。自分が震えていることに初めて気づく

– Keramore Thexは鼻から息を吸い口から吐き出し深呼吸する。緑のドラゴンの方に向き直ると復讐の思いで溢れる。今回は逃しはしない!

– 丘を滑って戻り、敵から見えない位置に来ると飛び上がって自軍の方へと駆けていく。声が聞こえない位置まで来るとSergeant Sorthinを見る。「あの緑のドラゴン以外にあの付近でドラゴンを見かけたか?」

– Sergeant Sorthinは走りながら首を横に振る

– 「Ailenの所に戻れ。前進するよう計画変更になったと伝えてくれ」ペースを落とさずジャンプして反対側に静かに着地する。「ドラゴンが1匹しかいない今攻撃すべきだ。AilenにはTheliosとJerilithに使いを出すよう伝えてくれ。Kailonにもだ。敵軍が行動するまで待たずに今すぐ攻撃するように伝えてくれ。」

– 見覚えのある場所に着くと止まる。「お前の戦士たちは今からさらに前進してくれ。このチャンスを最大限に利用したい。さあ、行け!」自分の軍の方に走る

– 愛するNeria、今夜お前の魂は安らかに眠れる

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