EQNext 【Teir’Dal決死の戦い 第一章 – 悲嘆 –】

登場人物

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【第一章 – 悲嘆 –】

 

 

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– Keramore Thexは指の間で白いユリをくるくる回しながら、入り口に立って石棺を見つめる

– 天井の高い重苦しい部屋には古いカビの臭いが強く漂い、壁に照らされたRunelightが陰鬱な気持ちにさせる

– Keramore ThexはCryptに来ると二度と外に出たくなくなるためここに来ることをひどく嫌っている

– 上面に妻の姿が形取られた石棺を見つめてため息をつく。傷ついた体がすぐ下に横たわっているのを想像しただけで心が痛い。最期の言葉を囁くNeriaを支えながら、緑のドラゴンが飛び立つ姿をどうすることもできずに見つめるしかなかったあの時の自分。魂にこびりついた黒いシミとなった悪魔の記憶に毎晩目が覚める。Neriaを助けられなかった自分を絶対に許さない

– Keramore Thexは片膝をついて、蓋の上に形取られたNeriaの両手のあいだにユリの花をそっと置く。それから自分の長い金髪を指ですいてため息をつき、冷たい石棺の蓋に頭をもたげる。石棺の肩の部分に手を添えて、いなくなってしまって寂しいとつぶやく。頭を上げると青い瞳に涙が溢れている。「息子は元気でやっている。Faelonはそこら中走り回って乳母に手を焼かせている」そう言って微笑むと、目にたまっていた涙がきめ細かい肌を伝ってこぼれ落ちる。涙を拭わずにつぶやく。「脱出の準備が始まった。Combine全員の準備はあと数週間で完了するはずだ」歯を食いしばる。「父上とEradorが故郷を捨てる気でいることがまだ信じられない。我々はあれだけ犠牲を払ったというのに」石棺に形取られたNeriaの頬をなでる。「この土地を守るために私はこんなにも大きな犠牲を払ったというのに」

– Keramore Thexは首からぶら下がるペンダントに触れる。真ん中の石の周囲をロープで3つ結んで囲んだデザインで、金銭的価値のないもの。シルバーのチェーンのほうがペンダントトップよりも高価だが、触っていると落ち着く。母Raina Thexが死ぬ前にくれた最後の贈り物。1000年に渡って代々伝わるものだと言うが、いつも身につけているようにと手渡された時に初めて目にする

– Keramore Thexは頭を垂れて肩を落とす。「Amarilを去りたくない」声が震える。 「お前を置いてこの土地を去りたくない」それから大きく息を吸い込んで落ち着きを取り戻す。「去らねばならないことは分かっている。この戦争には負けたのだ。ドラゴンと奴らの仲間たちは—」

– 「死人と過ごすのがそんなに楽しいなら、思った以上に早くその機会が訪れるだろう」

– Keremoreは振り返りArch Mageを目にして顔をこわばらせる。「我々は友人かもしれないが、Coralen。一線を越えている」

– Keramore Thexはまだ熱い涙が頬を伝っているのを感じる。今拭ったら余計に目立つので拭わず背筋を伸ばしてElfのウィザードを睨む。「Royal Cryptまで来て私の邪魔をするとは」

– ここ最近傲慢な笑みが永遠に口元にこびりついたようなCoralen Larkosからその表情が消え、頭を垂れて一礼する。「無礼をお許しください、Prince。邪魔をするつもりはありませんでした」顔を上げるといつもの自信溢れる顔つきに戻る。「しかしながら、理由を聞けばお分かりいただけるはずです」

– Keramore Thexは棺桶に向き直り妻を完全に形取った蓋を見下ろす。指を二本自分の唇に当ててから蓋の妻の唇に当てる。「Neria、またあとで来る」

– Keramore ThexがCoralen Larkosに近寄ると話しを始めようとするので手を振り遮る。「ここでは駄目だ」

– Arch Mageを通り過ぎBastionの上の階に続く螺旋階段を登る。歩いているせいで落ち着いてくる。怒りの理由は喪の儀式に立ち入られたせいではない。個人的な時間を友人に見られたこと、何よりも自分の弱さを見せたことがとても不快だ。それでも中庭につく頃には完全に怒りは収まる

– まだ朝は早く太陽は砦の壁の上の位置までしか昇っていない

– Keramore Thexは混沌とした中庭を目にしてため息をつく。物資や個人の持ち物が積み上がった光景に、一族がこれから逃げるという事実を嫌でも思い知らされる。荷物の間には難民が埋め尽くされ、戦争の顛末が見て取れる。Amarilの北方の町や村はRing of Scaleに焼き尽くされたか恐怖のため見捨てられたかで、生存者にとってはBastionが最後に残された安全な場所。砦は大勢を受け入れる体制が整っておらず食料と水が不足している。人々はほぼすべての建物のホールで寝ており、入り切れずに何千人も中庭でキャンプをしている。さらに他にも人々が外側の庭園に集まっていて、その難民のほとんどがElf。壁の外はテントだらけで、 Elf、Dwarf、Ogre、Human、Kerran、GnomeといったCombineのさまざまな種族が入り混じっている。 あまりにも大勢が1ヶ所に集まっているため悪臭がする

– 小さなElfの子供が通りがかりに自分を見上げるのに気づいてKeramore Thexは立ち止まる。その希望を失い恐怖に満ちた目を見て人々が自分を必要としていることを思う。「父と兄は正しかったのかもしれない。もうこの土地を離れる時が来たのかもしれない」

– Coralen LarkosはKeramore Thexに同意する。「恐れながらまったくその通りです」

– Keramore Thexはメイジの事をすっかり忘れていた。振り向いてCoralen Larkosにうなずいて話を促す 

– メイジがさっとあたりを見回し小声で話し出す。「昨夜偵察中にドレイクを捕まえました。最初は」

– 「ちょっと待て」Keramore Thexが遮る。「Bastionを出たのか?なぜだ?」

– Coralen Larkosは笑って肩をすくめる。「夜の空気を吸いたくなったのです。それに最近の砦はあまり居心地の良いところではないので」

– Keramore Thexは最近の評議会のCoralen Larkosに対する態度を思い出し悲しみのようなものを感じる。思い起こせばこの問題の大部分はCoralen Larkos自身のパラノイアが招いたものだ

– Arch Mageは頭を振る。「私が外に出た理由は重要ではありません。言おうとしたことは、そのドレイクは最初は黙っていたのですが結局真実を話したということです」

– 周りをもう一度見回してからCoralen Larkosが一歩近寄る。「今朝の時点で全Ring of Scaleがここからたった1日の距離にいます」

– 思わずKeramore Thexは笑う。「ドレイクがそう言ったのか?」もう一度くすくす笑う。「捕まえたドレイクが?」

– Coralen Larkosの顔が険しくなると、Keramore Thexはメイジに近寄り肩に両手を置く。「友よ、嘘だと言っているわけではない。だがドレイクは殺されたくなかったばかりにそう言ったのではないか?」表情を固くしてメイジを見る。「どうせ殺したんだろう?」

– 「安らかに死にました」Coralen LarkosはKeremoreの手を払い除けてまた一歩近寄る。「疑うのも分かります。しかしCompulsion魔法を使いました。Painと混ぜてあの生き物の意識に集中しました。嘘を言ってはいないはずです」

– Compulsion!あの邪悪な魔法を思いKeramore Thexの目が見開く。戦士として戦争には犠牲が付き物ということは誰よりも理解しているが、あのような魔法を使うことを想像しただけで恐怖を掻き立てられる。だがCoralen Larkosほど魔法に長けた者はいない事をよく知っている

– Coralen Larkosはドラゴン軍がすぐそこまで迫っていること、日が暮れたら襲撃にやって来ることを矢継ぎ早に伝える

– あり得ない。メイジの言うことを否定したくなる。Kingがもう一年余りそうしてきたように。だがCoralen Larkosの目を見ると嘘ではないことがわかる。そう思った瞬間現実が一気に両肩にのしかかってくる

– Keramore Thexはくるりと中庭を見渡す。皆一日一食しか食事をとっていないというのにどうやって戦えというのだ?頭の中をいろいろな考えが一気に駆け巡る。作戦、戦略、攻撃部隊と防御部隊

– 「時間がない!」Keramore ThexはCoralen Larkosに向き直りローブの襟首をつかむ。「どうやって?」さっき来た入り口にCoralen Larkosを強く押しやり声を抑える。「どうやったら誰にも気付かれずにそんなに近くまで来ることができたというのだ?」

– Coralen Larkosは両手を上げてKeramore Thexの手を払いのけようとする。 Keramore Thexがその手を放そうとしないとメイジが恐ろしい顔つきになる。「分かりません。Teir`Dalの指揮官のあなたなら知っているべきではありませんか?どうやって何千というコボルド、Phyxian、ワイバーン、ドレイク、ドラゴンの大群がこの距離をこのスピードでたどり着けたのか、しかも誰にも見つからずに。その理由を偵察に聞いたらいかがですか?」

– Keramore Thexのなかでカッと怒りに燃える。だが友人にそれをぶつける代わりにつかんだ手を放し後ろに下がる

– Coralen Larkosに指をさす。「評議会を招集しろ。このことを報告するんだ」

– Coralen LarkosはKeramore Thexに近寄り、すでに評議会は招集済みで会合が始まっていること伝える。そして「私も向かうところです」と言い、自分がこの話をしたところで聞いてもらえないから評議会で口添えしてほしいと頼む

– うなずいてKeramore Thexはすでに歩き出しながら言う。「分かった。その前に立ち寄るところがあるから30分後に評議会で会おう」

– 中庭を歩きながら怒りが増してゆく。この報告を外部から受けるとは。なぜこうなったのかあいつを問い詰めねば

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登場人物

→ 第二章 – 任務 –

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