EQNext 【Bastion陥落 第五章 – イリュージョン –】

登場人物

第一章 – Compulsion魔法 –
第二章 – 地下堂 –
第三章 – 会合 –
第四章 – 別離 –

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【第五章 – イリュージョン –】

 

 

——

– 辺りが暗くなり、いよいよCoralen Larkosは地表と空からエネルギーを絡み合わせて呼び出す

– 自然界の元素を想像上の無形の鉄と融合することに集中すると、頭に描く幻想が砦、壁、Serpentspineの山々、そしてMerionさえ無色に変えてゆく

– 後ろでは群衆の音や兵士の合図が止み、誰もが固唾をのんでCoralen Larkosを見守っている

– 激しい息切れとねじり取られるような痛みを肌に感じながら、Coralen Larkosは創造物を生み出して片膝をつく

– Merionが心配そうに歩み寄る

– 「完了だ」Coralen Larkosが息をつく。「合図を送れ」

– その華奢な体格からは想像できないほど大きな声でMerionが指示を出す。その声が幾重にもこだまする

– 砦の一番高いタワーから真っ暗闇の大地に低いベルが鳴り響く

– あちこちで一斉に出される命令とパニックの叫び声と共にエクソダスが開始する

– 差し出し出された手を受け取り見上げると、しっかりとスピアを掴んだSergeant Feslerがニヤリと笑う

– なぜここにいるのだ、とCoralen Larkosが聞く暇もなくSergeant Feslerは船とは逆方向の隊列に向かって走っていく

– 「まるで水のなかから見ている景色のようですね」感動に満ちた声でMerionが言う

– 振り返ってCoralen Larkosは海の方を見る。なるほど、まさに弟子のその表現がピッタリだ

– 数ヤード後ろには、半透明の紙が雲から地面まで垂れ下がっているように見える。その向こう側にはわずかな動きが見えるが、何千ものElfとその仲間が砂浜に向かっていることや、波間をぬって船が出て行く様子などはまったく見えない

– 「近いのでベールに包まれているように見える」Coralen Larkosが説明する。「100ヤード以上離れていると砦、テント、波が見えるだけだ」

– Merionが口笛を吹く。「すごい。Bastionがもぬけの殻に見えます。みんなを隠したのですね」目をキラキラさせて尊敬の眼差しで振り向くが、Coralen Larkosの険しい表情を見てうつむく

– 「どうやってこんなに大勢が隠れることができるのか、なぜ誰も逃げないのか、とドラゴンが疑わないことを祈ろう」目をこすりながらCoralen Larkosが言う

– イリュージョン魔法のせいでCoralen Larkosの目がかすみ、急激に疲れが襲う

– 「見事なトリックだな」下の中庭から声がする。「だが兵士が戦う楽しみも残しておいてくれ」Brozkaが軽口を叩く

– 「大丈夫だ」Coralen Larkosがせせら笑う。「戦えるから心配するな」

– 無表情でCoralen Larkosを見つめてからBrozkaがどこかにふらふらと歩いていく。Elf戦士の集団がOgreに道を開ける。巨大な鎧が立ちはだかると隣のElf戦士たちがDwarfのように小さく見える

– MerionがCoralen Larkosの袖を引く。北を指して「あれを見てください」と急かす。地平線にチラチラと光が見える。

– 「Draconic Fireだ」Coralen Larkosがつぶやく。「あの特徴的な色合いは間違いない。始まったぞ」

– Merionと目が合う。「使いを出して皆に知らせてくれ。配置について戦闘に備えるよう伝えてくれ」

– Merionはうなずいてから躊躇する。「あなたから兵士に知らせますか?あなたが正式に命令を出したほうが兵士は喜ぶかもしれません」

– Coralen Larkosは首を横に振る。「戦闘を仕切っているのはLieutenants JangleurとMasteronだ。私ではない。それにみんなそれぞれ自分の役割を知っているだろう。感動的なスピーチが聞きたかったらKeramoreに着いていっただろうしな」

– 何十という戦闘の思い出が頭を駆け巡りCoralen Larkosは微笑を浮かべる。背筋を伸ばしたKeramore Thexが部下に向かって勇気と犠牲を讃え熱心に鼓舞する様子を思い出す。そしてそれを受けて間抜けのようにうなり声を上げて歓喜する兵士の様子を

– 「Keramoreはスピーチが得意だからな」Coralen Larkosが急かす。「さあ、行くんだ。戦闘が始まったら私のすぐそばから離れるんじゃないぞ」

– 弟子が使いを送りに立ち去るのを待ってからCoralen Larkosは冷たい石の手すり壁に両腕をついて体をもたれかける

– かつて戦いでこれほど容易に疲れが襲ってきたことはあっただろうか?あれだけ戦闘をやってきたがこんなにすぐに体力を消耗した記憶はない。しかしイリュージョンは他の魔法とはわけが違う特殊魔法だ。魔法の維持をするだけで鉄鉱石の鎧がズシリと両肩に乗っているような圧力を上半身に感じる

– 空気中にかかったオーロラの滝のような純魔法をCoralen Larkosはもう一度確認する。完璧ではないがうまくいきそうだ。うまくいかないと困る

– Elf戦士が弓と矢を携え両脇の壁を背にずらりと整列して立っている

– Ogreは笑っていて、その声は知能が高い生物というよりは死肉を喰らう犬のようだ

– 鼻を突くツンとする臭いがして振り返るとDwarfのエンジニアが最終防衛手段の大釜を熱している。暖かい火で壁に映ったDwarfの影がジャイアントのようだ

– 無意識にうなずいている自分にCoralen Larkosは気づく。大釜1つで一度に何十匹をも焼けつく苦痛で浸すことができるだろう。そうすれば魔法を使う体力を温存できる。夜になるまで少しでも体力が必要なことをSeraphsはちゃんと分かっていてくださる

– 要塞は抜け目のないデザインだ。Coralen Larkosは物思いにふける。正門は北向きで、門の上の壁から突き出た手すり壁の今いる場所からは、北壁とその西側を一望できる。東側は地面が急激に下がっているため攻撃されにくく、アーチャーと砲兵が屋根から容易に攻撃できる。賢明な敵なら要塞周辺の矢の届かないエリアを掃除して海側から南西の門を攻めるだろう。しかしドラゴンは通常裏をかこうとはせず、敵のメイン防衛を真っ先に攻撃して数を減らしてから残りを始末する。南西の門は深い溝と険しい壁で守られている。北壁の前だけが平らな土地で、援護下で近接可能な地形だ

– Coralen Larkosはほくそ笑む。攻撃側からすると北壁側がBastionの弱点だと考えるだろう。もうすぐやってくるRing of Scaleに、私の魔法がイリュージョンだけではないことを身を持って教えてやる

– メラメラと揺れる炎がCoralen Larkosの視界に入る。遠くで展開されている戦闘を思い、Keramore Thexの作戦はうまくいくだろうかと思いを巡らせる。炎が見えないことから、予想に反して作戦が成功に終わったかドラコニック群が予想よりも少なかったか。長時間は必要ない。夜明けまででいい。日が昇っても作戦が失敗していなければ全員逃げる時間があるかもしれない。だがそうなったらKeramore Thexだけ手柄を独り占めしてしまう。それにもうThexクランの繁栄は長すぎるほど十分に見てきた。友人がすべきことは船を全部出航させるため、そしてBastionを占拠させないためにできるだけ多くのRing of Scale軍の目をそらすことだけだ。そして私は待つだけだ

– 「ドレイク!」甲高い叫び声が夜の静けさを破る

– Coralen Larkosは暗闇を見つめ悪態をつく。近くのElfアーチャーを捕まえ「どこだ?見えるか?」と聞く

– 「300ヤード先です、my Lord」アーチャーがこたえる。「あそこです。岩が群がっているところです」

– アーチャーの伸ばした指先を見るがCoralen Larkosからは岩が闇に溶け込んでいて何も見えない。しかし雲が動くとほんの数秒だけフィールドが星明りに照らされる

– いた。黒い姿がピッタリと岩にくっついている。長い尾を揺れ動かしながらドレイクはあっという間に岩陰のなかに入り込む。その動きがあまりにも素早くCoralen Larkosは見間違いかと思う。しかし他の2匹が岩を超えたところで一旦止まり鳴き声をあげるのを見て確信する

– ドレイクの鳴き声に合わせて幾数もの小さな金切り声が響き渡る。再び雲がかかると滑走する影が揺れ動くのが見える

– 「コボルド」誰かが叫ぶ。「正面にコボルド!」

– 砦の屋根からスリングショットが放たれ鋭い発射音が空気を引き裂く。Glowstoneが火花を散らしながら敵に向かって弧を描く。魔法の発光がだんだん強まり、壁の下のフィールドが柔らかく暖かい光で包まれる。着地して前に進み、止まってもなおGlowstoneは光を放っている

– 「アーチャー」叫び声がする。「弓を引け!」

– 「馬鹿、やめろ」Coralen Larkosが叫ぶ。「ただの小競り合いだ。矢を温存しておけ!」だがもう遅い

– 「撃て!」一斉射撃で300本もの矢が放たれる

– 戦争で飛び交う何百本もの矢が引き起こす風の音をこれまでにも散々聞いてきたが、何度聞いてもCoralen Larkosの背筋に寒気が走る

– コボルドのつんざくような金切り声がCoralen Larkosの耳に残り、ドレイクの叫び声をかき消す。先端がスチールの矢が背中や喉に突き刺さり苦痛でもがきながら手足をバタバタさせている

– 「引け!」

– 約半分になったコボルドは、バラバラに動けばいいものを50フィート先で動きまわるばかりで、前にも後ろにも移動しない。甲高い笑い声が傷を負ったコボルドのうめき声をかき消す

– 「撃て!」

– 大量の矢の発射でつむじ風が起きてはまた弱まる

– 矢が胸を貫通して土に刺さり痙攣するコボルドは、矢に突き刺さったまま地面から6インチ浮いている

– 2匹目のドレイクがフィールドに降り立つ。生気のない片目が壁のほうを見つめている。もう1匹は矢を頭に貫通させて葉っぱのようにカサカサと音をさせて草の上に落ちる

– 「止めろ」Coralen Larkosが叫ぶも風がその声を吹き消す。近くにいた何人かが振り向くが、その声よりも大きな上司の声に従ってまた敵に集中する

– 「引け!」

– Coralen Larkosは怒りの唸り声とともに足元の鉄から力を引き寄せ言葉にして発する。急に押しつぶされそうな重さを体中に感じるが、今度は彼の命令は要塞のあちこちの石に次々と反射してズシンと響き渡り他の音をすべてかき消す

– あまりの恐ろしさに何人かのElfが泣き出し、恐怖のためコボルドが萎縮する

– 「矢を温存しておけ」Coralen Larkosはもう一度言う。出てくる言葉はまだ10倍に拡大している。「奴らを見逃せ」

– Coralen Larkosは腕を急に掴まれる

– 「シールドが」Merionが言う

– Coralen Larkosは魔法を一つ解いてイリュージョンのカーテンを確認するため後ろを振り返る。かげろうのように揺らめき、向こう側の景色が見える。風が南側の雲をかき消し、星明りが大量の船を、そして砂浜にいるElfと他の種族の大群を照らしている

– Coralen Larkosにパニックが襲う。他でもないイリュージョンを更新するのを忘れていたのだ

– Coralen Larkosは意識に集中し周囲からエネルギーを集める

– 火鉢の火が次第に弱くなり消えかけるのを見たDwarfが罵る。その熱のエネルギーを使い恐怖から生まれ出るスピードと集中力でCoralen Larkosはイリュージョンを復元させる

– Ogreのメイスで殴られたような衝撃でどっと疲れが襲ってきて後ろによろけ、Coralen Larkosは壁から転げ落ちそうになる

– 最後に生き残ったドレイクが目に留まる。要塞の大群のその向こう側の船は見られていないと思うが、かげろうのような揺らめきとイリュージョンが解けたところは見られたかもしれない。ドレイクの赤い目が何かを理解しているのをCoralen Larkosは感じ取る。ドレイクが口を開き鋭い歯をむき出しにする

– 「Merion」Coralen Larkosが言う。ただそれだけですべての体力が失われる

– 弟子はうなずき、瞬きする暇もないほど猛スピードで向かってくるドレイク以上に素早く片手をかざす。その瞬間ドレイクとMerionの間に何色もの光を帯びた縄が繋がる

– にらみつけながらCoralen Larkosが瞬きをするとその縄が消えて宙に残像を残す

– 滑空するドレイクの周囲に縄の色が構成され液体で覆うと、ドレイクは叫び声を上げる。そして野獣のものではなく知能の高い生き物のその苦痛の声は突然消える。過熱した血と水分が目と鼻から吹き出しドレイクは地面に勢いよく叩きつけられる。黒くなった死体からうっすらと蒸気が立ち上る

– 生き残ったコボルドが走りだす

– Merionは深く息を吸い込み両手をかかげ、繰り返しライン状に火を噴きつける

– Merionが膝をつく。呼吸は乱れていない

– Merionは強力なパワーを持っている。Coralen Larkosは誇らしい気持ちになる。私の助力でMerionは歴史に名を残すことになるだろう。パワフルなMerionは危険なライバルになるかもしれない、と心の声が言う

– 「大丈夫ですか?」

– Coralen Larkosはうなずいて、Merionに手を貸してもらい立ち上がる。「イリュージョンを維持することは思った以上に大変だ」とつぶやく

– Coralen Larkosの膝が再びガクンと落ちる。Merionが支える

– Coralen Larkosは微笑んでMerionに礼を言う。「よくやった」

– Merionは首を横に振る。「単純なことです」

– 「単純?」Coralen Larkosが鼻を鳴らす。「Combineのメイジで今お前がやってのけたことができる者は10人もいないだろう。ましてや疲れもせずにできる者はお前以外にはいないだろう」

– 「いい師を持ったので」Merionは笑顔でこたえる

– 「だといいのだが。自分は使い物にならなそうだから今のようなことをどんどんやってくれ」とCoralen Larkosは言う

– 「では役割分担しましょう。あなたがイリュージョンを維持し、私はドラゴンを殺す。朝になったら反省会をしましょう」Merionが提案し、二人は握手をする

– 「もっとメイジがいればよかったのですが」物欲しそうにシールドを見てMerionが言う

– Coralen Larkosは首を横に振る。「我々の作戦が失敗したときのために船にメイジが必要だ。それにバードは大勢の物語は歌わない、少数の物語を歌う」
(* “Bards don’t sing of the many.They sing of the few.”)

– 「では自分たちはバードの歌になる対象ですね」Merionがつぶやく
– Coralen Larkosは笑顔になる

– Merionと話していてCoralen Larkosは力が戻ってくるのを感じる。イリュージョンはまだ全身に重くのしかかっているが、Merionのおかげで他の魔法を使わずに済むので長い時間維持することができるだろう

– バードはイリュージョニストの物語は歌わない、ドラゴンキラーの物語を歌うのだ

– 「黙れ」Coralen Larkosがつぶやく

– 怪訝な顔で「どうかしたのですか?」とMerionが尋ねる

– Coralen Larkosは顔と目をこすってあくびをする。「下はどうなっているかと聞いた」

– 下を見ると15人ほどのElfが血だらけのコボルドの死体から矢を集めたり死体の顔を踏んだりしている

– 「中庭に行こう」Coralen Larkosが促す

– 「それにしてもなぜあんなに少数で攻撃しにきたのでしょうか」階段を下りながらMerionが言う。それを耳にした戦士たちが弟子のその発言に恐ろしい表情をするが構わず続ける。「伸縮はしごさえ持ってきていませんでした」

– Coralen LarkosはMerionに微笑みかける。この少年は魔法は知っているが戦争を知らない

– 「Merion、決闘するとき真っ先に何をする?敵に探りを入れるんだ。どんな武器を持っているか。何をしてくるか、何ができないか。さっきの攻撃で敵は我々には数百人のアーチャーしかいないこと、大量のコボルドを撃つ訓練をしていないことが分かった」Coralen LarkosはMerionの肩に手をかける

– 「それでもあんなに少数を送り込むのは無駄に思えます」Merionがブツブツ言う

– 「心配しなくてもこのあとたくさん来る。今度は矢を温存する必要はないはずだ」Coralen Larkosがこたえる

– Merionは丘の向こうを見るように壁を見つめる。「いつやってくるのでしょうか?」

– Coralen Larkosは肩をすくめる。「Keramoreがうまくやっていればまだあと数時間はあるだろう。さっき地平線に見えた光はKeramoreの攻撃だったに違いない。奴は大群に飛び込んで戦うほど勇敢だ。そして我々を攻撃すべき敵を全部自分の方におびき寄せるほど愚かだ」

– 重厚なオークの木と鋼鉄でできた正門ドアが半開きになっている。3人のElfが両手いっぱいに血だらけの矢を持ってなかに入ってくる。指揮官のSergeant Feslerの姿が見える

– 「Sergeant Fesler」Coralen Larkosが叫ぶ。「外に出ていいと誰が許可したのだ?」

– Sergeant Feslerが敬礼する。「自分の判断です、my Lord」

– Coralen Larkosは息がかかるほどSergeant Feslerの近くに詰め寄る。「上の判断を仰がずに門を開けた理由を説明しろ」Sergeant Feslerから怒りと疑念を感じ取る

– 「コボルドの死体に矢を残したままだと次の敵襲で矢が不足すると思われます。壁の内側からならコボルドは恐るべき存在ではありませんが、先ほど我々が行ったのは無駄に敵に戦力を披露しただけです。優秀な上官なら砦の窓から外を眺めていないで下に降りてきているはずなので、そのようなことは一目瞭然だったかと思われます」Sergeant Feslerが息をつく

– Coralen LarkosはSergeant Feslerから目をそらし素早く中庭を見渡す。数十人のElfと5、6人のDwarfがCoralen Larkosの口から次に出てくる言葉を待っている。みんなElfメイジの魔法能力を知っている

– Coralen LarkosはSergeant Feslerに視線を戻し、汗がこめかみをつたわる様子を眺めながら「ではお前ならどうした?」と問う

– 「私なら防衛全員に手すり壁の後ろにしゃがみ込ませます。そして敵には何も報告すべきことがないように見せかけます。次にドレイクから順番に1匹ずつ始末します。そのあと自分以外の誰かに外に行かせて使用した矢を管理させます」恐怖を押し隠した声でSergeant Feslerがこたえる

– Coralen Larkosがうなずく。Sergeant Feslerから目をそらさずにSergeant Feslerの後ろのElfを指さす。「おい、お前」

– 「私ですか?」呼ばれたElfはつまずいて両手いっぱいの矢を石畳の上に落とす

– 「そうだ、お前だ。砦のLieutenant JangleurとLieutenant Masteronを探し出せ。今後Bastionにいるすべての部隊の指揮はLieutenant Feslerが行う、とのArch Mageからの伝言を伝えろ」

– Sergeant Feslerは驚いている

– 「行け」Coralen Larkosが視線をメッセンジャーに移し低い声で言うと、柔らかい革の靴を履いたElfが床の矢に滑ってよろける

– MerionがCoralen Larkosに囁く。「そんなことができるんですか?」

– 「さあどうだろうな」Coralen Larkosが言う。「Lieutenant Fesler、お前はどう思う?」

– 居心地悪そうにFeslerが言う。「昇進にはKingかPrince Keramoreの署名が必要です」

– Coralen Larkosには署名のせいでFeslerががっかりしているのかそうでないのか判断がつかない。兵士の顔には感情が見えない

– 「Kingは第一の船で逃げているところだ」Coralen Larkosがつぶやく。「大事な跡取り息子とお気に入りの評議会メンバーを連れてな。署名がほしいならよっぽど早く泳げる必要がある。Prince Keramoreは膝までどっぷりドラゴンの血に浸かっている最中なので邪魔をしたくない。この二人以外で今ここで私よりも位の高い者を知っているなら話は別だが。Bastionの防衛はお前にかかっている。私の言いたいことが分かるか?」

– Lieutenant Feslerは飛び上がって「Yes, sir!」と言い完璧な敬礼をする

– 「将校の記章がありません」Lieutenant Feslerが言う

– Coralen Larkosは微笑み「あと数時間で皆死ぬから心配するな。MasteronかJangleurに記章が必要なくなったら使わせてもらえるだろう。さあ仕事にもどれ。この要塞は独りでに守ってはくれないぞ」声を低くして近づく。「私を失望させるんじゃないぞ。失望させたくないだろう?どうだ?」

– Lieutenant Feslerが息を呑む。「はい、my Lord」とこたえ踵を返し急いで立ち去ろうとする

– 「最後にもう一つ」とCoralen Larkosは走り出したLieutenant Fesler呼び止め、振り返るのを待つ

– 「なぜ志願したのだ?今頃もうKunarkまであと半分の距離にいるところだったのに」

– 「昔から英雄に憧れていました」Lieutenant Feslerはニヤリと笑う。顔の傷が皮膚に引っ張られて消える

– Coralen Larkosはうなずく。「できるだけ長く持ちこたえてくれ。そうすれば私がその望みを叶えてやろう」

– Lieutenant Feslerを解放しMerionのほうに向き直る。イリュージョンの重みが背骨を引っ張り肺を締め付ける。力を振り絞って姿勢を正す

– 「座ってください」Merionが案じる

– 「座る時間はいくらでもある」Coralen Larkosは言う。続けて「船に乗れば」と危うく言おうとして止める。そして見物人の自信のある顔を期待して「我々が死んだ暁に」と言うも、大多数はすでに配置に戻っている。Dwarfのマスターエンジニアが深々とお辞儀をしてCoralen Larkosがわずかにうなずく。運が良ければ敵は先に殺したOgreとDwarfに食い飽きてくれるかもしれない

– 「次は何をしましょう?」髪をかきあげるMerionの髪がますます乱れる

– 「次は待つのだ」Coralen Larkosが肩をすくめる

– 「正面に敵あり」声が響き渡り、上の壁際からは叫び声がする

– 戦士の集団が再び門を閉め大木の幹ほどの太さのバーを設置して固定する

– Coralen Larkosは大きくため息をついて目をこする

——

* “Bards don’t sing of the many.They sing of the few.” はサンドアートで引用されたセリフ

EQN: バードは少数の物語を歌う

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